普蔵寺

普蔵寺日和 第五回目 『おことば』

おことば
曹洞宗管長 福山諦法            

 我が曹洞宗は、一仏両祖(いちぶつりょうそ)の教えに基づいた生き方を実践していくことを旨とします。
 仏前に静かにすわり、息をととのえましょう。お灯明をともし、み仏と自分とがひとすじに結ばれるところにお線香を立てます。合掌し、み仏とご先祖のみ名をとなえ、ご供養いたしましょう。朝夕のおまいりは坐禅をすることと同じ功徳(くどく)があります。わたくしも毎日つとめております。
 瑩山(けいざん)さまは『坐禅をすると、こころが澄み、人間のもっとも美しい姿が現れる』と説いておられます。そのみ教えから発せられる言葉が「愛語(あいご)」です。『おはようございます』の挨拶で一日が始まります。挨拶はお互いの無事を祈り、絆(きずな)をつよく結ぶ愛語です。
 現代社会は混迷し、理不尽に命が失われ、不安と不透明の世相です。しかし決してあきらめてはなりません。み仏と自己の絆、人間どうしの絆、自然と自己の絆をつよめて、生かされて生きる喜びをもてる社会にいたしましょう。
 道元(どうげん)さまは『ただひとりでも世のために尽くす強い決心をもち行ずれば、世の中すべてがそうなる』と励ましておられます。曹洞宗の「人権・平和・環境」はそのための目標なのです。
 この身がみ仏の教えに照らされ、ご先祖の温もりにつつまれている幸せを、よくよく自覚しなければなりません。そうして孤独に涙する人に、不安におののく人に、み仏の言葉としての慈しみの言葉、「愛語」を語りかけてほしいのです。
 『愛語(あいご)能(よ)く廻天(かいてん)の力(ちから)あることを学(がく)すべきなり』
南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)

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